産福連携



実績


みんなでごはん×サンロード株式会社の行者菜

ニラよりもニラ!の「行者菜」餃子でみんな笑顔に


「香りがいいわねぇ~。もう香りだけで、美味しいって分かる!」

「ニンニクの香りがすごい!」

朝日のあたる家で、毎月第2水曜日に開催している「みんなでごはん」。その調理中に話された言葉です。

2024年4月10日(水)のメインの献立は「行者菜(ぎょうじゃな)の餃子」。

「行者菜」って聞いたことはあるでしょうか?

参加者のみなさんに、初見の感想を聞くと、

「え?ニラじゃないの?」「ニラにしか見えない」「ラジオで名前だけは聞いたことあるけど、本物は見たことなかった」

地元の方にとって、なじみの薄い野菜だということが分かります。

手に持ってみると葉のしなりがあり、包丁で切るとシャキシャキして、ニラよりも繊維がしっかりしており、「噛み応え良さそう」という声も上がりました。

食べて美味しい体にもうれしいスタミナ野菜の「行者菜」

行者菜は、行者にんにくとニラを掛け合わせた野菜です。今はまだ岩手県内では奥州市の「サンロード株式会社」でしか栽培されていない希少な野菜なのだそう。

朝日のあたる家のコーディネーターの鈴木拓さんが、産福連携で奥州地域をコーディネートする中で、お仕事を繋いだ事業所さんから紹介されたのが、この「サンロード株式会社」の行者菜でした。生産者である菊池さんは、多くの人にこの野菜を知ってもらいたいという想いがありました。そこで朝日のあたる家の「みんなでごはん」で紹介することになったのです。朝日のあたる家が進めている連携は産業から福祉へ、福祉から農業へと、信頼されているからこその繋がりが生まれ続けています。

「サンロード株式会社」の菊池さん

「行者にんにく」の栽培は、長い栽培期間(5年)と短い収穫期間(2週間)という短所があります。その短所を補うため「ニラ」と掛け合わせることで、1シーズンに2~3回の収穫が可能となりました。強い香りが害虫を寄せ付けず、ほぼ無農薬での栽培ができ、日持ちが良いので冷蔵庫で1週間から10日ほど保存できることも長所です。

「行者菜」は、見た目はニラですが、根元部分にはにんにくの風味があります。

鈴木さんは、「ニラよりもニラ」「香味野菜会の急先鋒」「抗酸化力がトップクラス」と表現しています。一度食べたら病みつきになること間違いなしで、料理にニンニクやショウガなどの薬味を使用しなくても十分に美味しいということでした。

また栄養価も豊富で、特に滋養強壮の源となる流加アリルは、行者にんにくの約4倍、ニラの約2倍もあるそうで、まさに「香味も栄養価も高い」今までにないハイブリット型のスーパースタミナ食材なのです。

食事前に特設された「行者菜」の即売会では、売り始めてから10分程で完売という大盛況に終わりました。購入された方は、「早速料理して、家族にも紹介したい」と話されていました。

今後も朝日のあたる家では、イベントの中で「行者菜」を定期販売していきたいとのことでした。生産者(農家さん)にとって販路を広げられ、消費者(買い物客)にとっても希少な野菜を安く提供してもらえるなんて、次の販売会も楽しみですね。

行者菜を堪能しつくした「みんなでごはん」

「みんなでごはん」は、「残存能力の活用」という目的があります。参加者のみなさんが調理にも関われるように工夫しており、一人一人が何か役割を担うよう配慮するなど、朝日のあたる家のスタッフの温かい心遣いが感じられます。とにかく皆さんの手仕事が早く、丁寧さが売り。あっという間に料理が完成してしまいました。

男性参加者もおり、食事の前に施設隣の芝生丘でパークゴルフを楽しむ時間も。地域交流を楽しみながら、調理から会食まで、各々が持ち味を活かして生き生きした時間を過ごすことが出来ました。

今日も色とりどりの料理が並びました。春を感じさせるような若葉の淡い緑色のレタスに、かぼちゃの黄色とトマトの赤が映えます。ちょこんと皿にのっている「葉わさび」も旬を感じさせる一品。

そして、メインの「行者菜餃子」はボリューム満点で食欲をそそります。

【行者菜餃子の感想】

・ボリューム満点だったけど、ぺろりと平らげた。

・香りがにんにくだから食欲がわいてきて、いつもよりもたくさん食べられました。

・レバニラ炒めなど中華料理など、何でも合いそう。

・薬味が入っていないのに、餃子の旨味がたっぷりだった。

・スタミナ食は元気が出る!最高でした!

「みんなでごはん」は、生産者の想いが届き、野菜との新しい出会いや、人と人との交流が生まれる場所。大人気企画だということが頷けます。

これからも「食」を通し、笑顔の輪が広がっていくことでしょう。

取材・文 戸羽美智子

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