農福連携進捗


米崎りんご農家「イドバダアップル」×就労継続支援B型「蒼」

みんなの力を一つに集結!新しい連携スタート!


陸前高田市米崎町のりんご農家「イドバダアップル」と就労継続支援B型「蒼(あお)」の連携が、新しくスタートしました!

栽培には不可欠だが、時間のかかる「摘果」作業

今回は、地域の特産品である米崎りんごの摘果作業の2回目です。

摘果とは、りんごの木が花を咲かせ、花が落ちた後に残る小さな実を間引く作業のことです。5つほどの実が房になっているため、その中の1つを果実として成長させるために残し、他の実は丁寧に切り落とします。

摘果した実を持つ、蒼の利用者さん

この摘果により、品質の良いりんごが生産できます。しかし、とても重要な工程である一方、時間がかかり体力的にも負担が大きいため、1人の農家だけで行うのは厳しいのが現状です。

そこで、この摘果作業と福祉団体との連携を作ろうと、農福連携事業コーディネーターの鈴木さんが動き、蒼との協力体制が実現しました。

みんなで地域を支えていこう!

蒼の管理者である金野さんは、昨年度は別の法人に勤務し、すでに鈴木コーディネーターと、ともに農福連携に取り組んでいました。今年度は蒼に入職した今も、蒼の利用者の就労機会をつくることで、障がい者の自己実現につなげようと活動しています。

蒼の管理者、金野正一さん

金野さんは「事業所は小規模なので、人手は足りないかもしれませんが、自分たちにできることからやれたらいいなと思っています。仕事の数や種類を増やして、利用者に寄り添ったサポートをしたいですね。それが少しでも地域の力になれれば嬉しい」と語ります。 蒼のみなさんは「自分たちができることが、誰かのためになれば」と言い、利用者も職員も一丸となり汗を流しています。

みんなが作業する中、SNSネタ撮影中の鈴木コーディネーター^^(写真左側)

これまで、蒼の仕事は、グループ会社であるロッツ株式会社のチョコレート生産販売事業「カカオ・ブローマ」で販売される板チョコレートの原材料となるカカオ豆の選別作業でした。

利用者の一人、菅原さんも主にカカオ豆の選別を行ってきました。

菅原さんは

「今回で摘果の作業は2回目ですが、慣れてきました。今までは、カカオ豆の仕分け作業だったので、ずっと室内にいました。でも、外での作業は気持ちがいいし、いい汗をかけますね」と笑顔で話してくれました。

みなさんのお手伝いに感謝

イドバダアップルのりんご畑は、海を臨む場所にあります。沿岸部でりんごを生産している陸前高田のような地域は、全国的にも珍しいのだそうです。甘くてみずみずしい米崎りんごは、昼夜の寒暖差と海水に含まれるミネラル成分が、海風によって吹き上げられることにより育まれています。

吉田さんはこの地域の農業を未来につなげたいという熱い想いを持って活動しています。

「1人で作業するのは効率が悪いんですが、蒼さんたちが摘果のお手伝いをしてくれるおかげでペースが上がっています。利用者さんも、職員のみなさんも、すごく協力してくれるので本当に助かっています」と蒼との連携に手応えを感じています。

成長を待ちわびるピンポン玉サイズの5月のりんご

りんご畑では、今回の摘果作業が終われば夏を経て、秋には「葉摘み」や「玉回し」という作業も必要となります。これらの仕事も吉田さん一人では手が足りなくなるため、引き続き、りんごにかかわるさまざまな年間作業を連携事業として行う計画です。

コーディネートもしますが、毎日現場で作業する鈴木さん
朝日のあたる家の佐々木さんは、高身長なので高所の摘果を

「ひとりでは困難なことも、みんなでやるなら可能になる!」と思わせてくれる、農業と福祉の連携が、今後もさまざまな形で地域社会に貢献していくことでしょう。

この連携がこれからどのように成長し、実を結ぶか、ぜひ楽しみにしていてください!

取材・文 板林恵

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