農福連携進捗


北限のゆず研究会×就労継続支援B型事業所 作業所 きらり

五感で感じて、ゆずの選果作業


スキルの高さはピカイチ!

2023年11月9日、今年のゆずの選果作業が始まりました。

今年の選果作業を担当するのは「就労継続支援B型事業所 作業所 きらり」さんです。

きらりからゆずの選果場は、歩いてすぐの距離。ゆずの集荷具合を見ながら、集まってきたらゆずの選果作業が始まります。

ゆずの選果は、傷の数や着色・大きさなど、先進地の高知県の規格を参考に、5つに選別されます。

初日の研修で「北限のゆず研究会」会長の佐々木さんがレクチャーし、あとはマニュアルを見て個人の判断で選別するという、とても難しい作業です。

きらりでは今までもリンゴやピーマンの選別を経験しているので、ゆずの選果に適応するのも早く、一日で500キロ以上選果することがあるそうです。利用者さんは黙々と、そして時折笑顔を見せながら作業を進めます。

「きらりさんは、作業が早いんですよね。」と話す佐々木さん。きらりのみなさんの選果スキルの高さに驚いたそうです。

「職員の方が中心となって、目配りもしてくれる。もう安心して選果のすべてをお任せできています。その間に私も違う作業ができるので、非常に助かっていますよ」

経験を積み、信頼をつなぐ

作業所きらりの所長、細谷さんは「ゆずが香って、気持ちいい作業だよね。と話す利用者さんもいます。」と言います。

手で触って、目で見て、香りを感じるゆずの選果作業。既存の作業もある中、気分転換しやすく、季節も感じられ、リフレッシュ効果が大きく出ると感じているようです。

ゆずの選果は楽しいだけではいかず、どうしようかと首をひねっていた利用者さん。たくさん集荷されるとそれを選果しないといけません。しかし、数をこなすには悩んでいる場合ではありません。

そこには利用者さんと職員の方の阿吽の呼吸と、信頼関係があるそうです。

分からなくなってきたら職員に尋ねる、規格から外れてきたときには職員が修正できる、そして職員も利用者さんを信頼してお任せする。

こうして経験を積みかさね、利用者さんの自信にもつながり、農家さんとの信頼関係も生まれるのです。

選果作業中の利用者さんにお話を伺ったところ、「難しいのと楽しいのと両方だね。」という答えが返ってきました。

そのはにかんだ笑顔の裏には、今までの経験があるのです。

お互い必要とされる関係になる

研修時に講師として教えた佐々木さんも、みなさんの生き生きとした表情が印象に残っていると語ります。

「私も助けて頂いていますし、ゆずの選果作業がみなさんのやりがいや生きがいになって頂けたら、こんなに嬉しいことはないですよね」

きらりでは10年以上やってきた農業の取り組み。「農福連携」という言葉が後からついてきた、と細谷さんは言います。

今回の「タカタアグリコンソーシアム」では様々な作業ができ、楽しくやれているという利用者さんもいるようです。

まずはワンシーズン経験し、これを未来にどうつなげていけるか。お互い必要な存在となり、信頼関係を築いていくためにどうするか。

北限のゆず研究会と作業所きらりのチャレンジは、これからも続きます。

取材・文 熊谷蘭子

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