朝日のあたる家が取り組む「産福連携」
今回は、春の行楽シーズンが訪れた「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」の環境整備を、「非営利型一般社団法人かたつむり」に依頼された経緯と、その草刈り作業の様子を取材させていただきました。
お仕事依頼のきっかけは、朝日のあたる家でコーディネーターをつとめる鈴木拓さんが、両者を紹介したところから始まったご縁です。
キャンプ運営に欠かせない存在に
「キャンプ場をやるうえで、草って切っても切れない関係なんですよね」
そうにこやかにお話ししてくれたのは、スノーピークのスタッフである川崎瑞季さん。 陸前高田のキャンプ場スタッフは、川崎さん含め7人と少数精鋭です。
ここのキャンプ場は、全国のスノーピークキャンプ場で2番目に広いということで、草刈りはなかなかの重労働。さらに他のキャンプ場に比べて、傾斜面が多いため機械が入れず手作業になり、それだけに多くの人手が必要です。
「本当に助かっていて、かたつむりさんはいなくてはならない存在です。みなさんの環境整備はとても丁寧で、これからもぜひお願いしたいです。全部をまかせっきりにはせず、出来る時は一緒に作業していきたいと考えています。」
地域の方とのつながりを大事にしたいと話す川崎さん。スノーピークという大きなブランドですが、地域密着型のキャンプ場として、これからも地元の方とお仕事出来たらと話してくれました。
それぞれが活躍できる場を見つける
かたつむりの環境整備は、1ヶ月のうち8日間あり、今回は3日目に取材でお邪魔させていただきました。このお仕事は気温がかなり上がる8月を除いて、4月から10月まで、約半年間の作業となります。
作業内容としては、機械で草を刈る人、草や枝を集める人、ブロアという送風機で散った草を集める人と役割を決めて動きます。かたつむりの利用者さんとスタッフが、6人1チームで作業にあたります。6人程の利用者さんを、毎回3人ずつローテーションで入れているそうです。
貴重な休憩時間の合間、かたつむりの皆さんにお話を聞かせて頂きました。
まず、かたつむりのスタッフである岩城和彦さんは、利用者さんと一緒に作業する上で大切にしていることをお話してくれました。
「チームの中には機械を使うのが得意な人、体力や力がある人、そうでない人とさまざまです。作業をする利用者さんに、合う役割を見極めることを大事にしています。そして外で体を使う仕事でもあるので、しんどそうにしてないかと体調面は気を付けています。なかなか言葉でいうのが難しい方もいるので、そこはスタッフが気を配っています」
さらに、利用者さんおふたりにお仕事の話をうかがいました。
「ブロアを使うのは疲れます。でも、体を動かすのも嫌いじゃないし、難しくないです」
「草木を集めるのは大変じゃないです。とても楽しいし、もっとやりたいです。これからずっとやれれば嬉しい」
と、笑顔で語ってくれました。
最後に……
みなさんのお話を聴くと、産福連携にかかわる方の、相手方へのリスペクトの気持ちが伝わってくる気持ちの良い現場でした。
スノーピークの川崎さん。かたつむりのみなさん。お忙しいなか、取材にこころよく応じていただきありがとうございました!
取材・文 熊谷美里