働くことに困難を抱える方々を支援する「陸前高田市ユニバーサル就労支援センター」の運営をはじめ、さまざまな活動を展開されているスナフキン・アンサンブルさんとの連携をご紹介します。
スナフキンアンサンブルとは
スナフキン・アンサンブルの前身団体である共生地域創造財団は東日本大震災を機に設立され、被災者の生活支援や産業の再生支援に取り組んできました。
2019年に陸前高田事業所を立ち上げ、「ユニバーサル就労支援センター」の運営を開始。
被災者支援の枠を越えて活動を広げるため、2022年に共生地域創造財団から陸前高田事業所が独立し、新法人「スナフキン・アンサンブル」としてセンターの運営を引き継いでいます。
団体名の「スナフキン・アンサンブル」には
普通や常識の枠に囚われず、誰もが自分なりの方法で誰かと関わり支え合い、そこで生まれる多様な調和(アンサンブル)が広がっていく社会を目指したいという想いが込められています。
中間的就労(ユニバーサル就労)と呼ばれる新たな働き方の創出に加え、最近は仕事以外にも自分の好きなことを通じて仲間を広げられるよう、サークル活動の立ち上げなどにも取り組んでいます。
中間的就労とは
中間的就労とは、一般就労でもなく、また福祉制度に基づく福祉的就労でもない、中間的な働き方を指す言葉です。身体的または精神的な健康問題や長期間の失業などの課題を抱え、すぐには一般企業での就労が難しい方々であっても、支援を受けながらその人なりの働き方を見つけられるよう、職場と協力しながら仕事を創り出します。
仕事に人をあてはめるのではなく、人にあわせて仕事を創ることで、誰もが自分なりの方法で社会参加できる状態を目指します。
中間的就労のメリット
⚫️スキルアップ
実際の職場環境での作業を通じて、必要なスキルや職業倫理を学ぶことができます。これにより、一般就労を目指す方が段階的にステップアップを図ることができます。
⚫️自信の向上
実務経験を積むことで、自己有用感が高まり、就労に対する自信をつけることができます。
⚫️社会的なつながり
障害や高齢などの事情で社会参加の機会が減少している方でも、無理ない範囲で就労することにより、孤立感を解消し、社会参加への意欲を高めることができます。
⚫️個別の支援
年齢、性別や、障害の有無に関わらず、利用者一人ひとりの状況やニーズに合わせた個別の支援が提供されるため、個性に合った働き方を見つけられます。
拠点作りとしての連携へ
スナフキン・アンサンブルさんとの連携として、朝日のあたる家では「中間的就労の場所」の提供を始めました。ユニバーサル就労支援センター利用者の方が、朝日のあたる家を訪れて受託作業や内職をできるようにしています。
ユニバーサル就労支援センター内でも同様に作業できる場を設けていますが、朝日のあたる家の近隣にお住まいの方や、センターで作業がない日にも作業したい方などが、より働く場所の選択肢を広げられるよう連携しています。
目指すところは朝日のあたる家もスナフキン・アンサンブルさんも同じ
段階的な就労支援や様々な働き方を支え、社会参加支援を行うことです。
現在までに
・いわて銀河農園さんのトマトのシール貼り
・バンザイファクトリーさんの椿茶の一時加工
などの中間的就労としての参加拠点として活用いただいています。
今後も多様な連携を一緒に作り 地域産業への社会参加、多様な働き方を支えていけたらと思います。
文:鈴木 拓