10月24日に開催された竹細工ワークショップは「熊手」作りでした。
古くから熊手は、その形から使うたびに福をかき集める縁起物として親しまれています。また、秋も深まり、色づく落ち葉が舞うこれからの季節に、大活躍すること間違いなしのアイテムです。
自分で熊手が作れるとあって、参加者のみなさんの期待もひときわ高まっているようでした。
午前・午後の二部構成に!大人気のワークショップ
今回で第4回目となる竹細工ワークショップには30名を超える申し込みがあったため、当初は午後1回だけの開催予定でしたが、予想以上の申込みに応えて、今回から午前の部も追加されました。
開催日:2024年10月24日(木)
時間:①9:30〜11:30 ②13:00〜15:00
会場:朝日のあたる家
参加者:午前の部12名、午後の部20名 合計32名
助成:令和6年度 陸前高田市「心の復興交流事業」
試行錯誤を重ねたワークショップの準備
福祉団体と産業の連携事業を行う朝日のあたる家では、地域の方から依頼され、放置竹林の伐採をすることがあります。伐採した竹を有効活用すべく、粉砕し有機肥料として再利用したり、今回のようにワークショップの材料に使ったりと、環境への配慮を大切にしています。
今回の熊手作りの材料には、その伐採した竹を活用。持ち手には1メートルほどの竹の棒を、かき手には30センチほどの竹のパーツ8本を用意しました。
落ち葉を集めやすくするために、かき手の先端部分を曲げる必要があるのですが、この準備にはちょっとした苦労があったそう。
ワークショップリーダーの佐々木さんによると
「どうやって竹を曲げるか、いろんな方法を試した結果、お湯で5分くらい茹でて、腕力で曲げる方法に落ち着きました。最初は火であぶってみたんですけど、焦げてしまって(笑)。結構、大変でしたね」と話してくれました。
当日のワークショップがスムーズに行われているのは、職員のみなさんのこうした準備と工夫の賜物なのですね。
作業の中、自然に生まれる助け合い
各パーツを固定し、ドリルで穴を開けてビスでしっかり留め、仕上げにワイヤーで動かないように固定したら、熊手の完成です。しかし、実際に作る様子を見ると、完成まで一人だけで行うのは難しい工程が多いように感じました。
一人では難しいからこそ、参加者同士で助け合い、協力している場面が多くあったように思います。
参加者男性のMさんは、穴あけの作業をテーブル向かいの女性にサポートしてもらっています。
Mさんは「手助けしてくれるから、てっきりスタッフかと思ったら、あなたも参加者だったの!?」と驚いた様子。
すると手助けをしていたその女性たちは「参加者もスタッフも役割なんて関係ないのよ!」と笑顔で返します。
そして女性が作業する番になると、Mさんはネジを差し出していました。
こうした自然なやりとりを見て、このワークショップは単なる資源の活用だけではなく、地域のつながりを育む場として意義あるものになっていると感じました。
次回ワークショップのお知らせ
次回のワークショップは、11月28日(木)に「竹ぼうき」作りを予定しています。
またしても人気の企画となっていますので、お申し込みはお早めにどうぞ!
熊手でみんな幸せにな〜れ!
参加者お二人の声をご紹介します。
参加男性「今まで熊手は100均で買ってたけど、すぐ壊れちゃう。でも竹の熊手は長持ちするね。落ち葉を集めるにはこれが一番だし、自分で作れるなんて最高!来て良かった!」
参加女性「もうじき90歳になるけどね、この年になって熊手を作るとは思いもしなかったのよ。この熊手を使うのが楽しみだね。みんなに幸せが訪れますように!」 と、熊手を魔法のステッキのように一振りする姿が印象的でした。
その一振り一振りに「福をかき集める」力が宿るとされる熊手。落ち葉を集めるたびに福が呼び込まれるように。そんな願いを込めたワークショップだったのではないでしょうか。
取材・文 板林 恵
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