紅葉が色づく秋がすぎ、足元に落ち葉が舞う11月下旬。
朝日のあたる家で「竹ぼうきづくり」ワークショップが開催されました。
市内の放置竹林で伐採した竹が、参加者の手で「自然素材を生かしたほうき」に生まれ変わります。
「次はどんなものを作るのかなって、毎回楽しみにしてるんだ」と笑顔で話す参加者もいました。
今回も32名参加の大盛況ぶり
第4回 竹細工ワークショップ「竹ぼうき」づくり
開催日:2024年11月28日(木)
時間:①9:30〜11:30 ②13:00〜15:00
会場:朝日のあたる家
参加者:午前の部17名、午後の部15名 合計32名
助成:令和6年度 陸前高田市「心の復興交流事業」
午前・午後の部ともに、あっという間に満員御礼となったそう。
初参加の方から常連さんまで、多くの人に愛されるワークショップへと成長しています。
準備の協力も、地域の人たちの力で
ワークショップの成功に欠かせないのが、事前の準備です。
一般的にはワークショップの主催者側が行うことが多いこの作業。
しかし朝日のあたる家では、地域の方々が協力し準備しています。
竹の枝に残る葉を落としたり、長さをそろえる準備に参加した女性は、笑顔でこう振り返ります。
「窓の外いっぱいに、竹の枝が置いてあったのよ。その葉っぱを落として、枝の長さをそろえたんだけど、すごい量でね、大変だったのよ」
事務局長の臼井さんは、
「準備にかかわってくれる人が増えてきています。 ご自身のタイミングで、負担なく、楽しみながら参加してもらえたら」と目を細めます
「一人じゃ難しい」ことが自然な助け合いを生む
みなさん「今まで生きてきて、竹ぼうきなんて、作ったことないよ〜」と談笑しながら、新しい挑戦に目を輝かせています。
作業の難所は、竹竿に竹枝をワイヤーで固定し、ペンチでねじりながら締める工程。
一人で、竹枝を押さえながら、ペンチを使うのは難しい作業です。
ペンチを手に奮闘する時、自然と生まれるのが助け合いの行動です。
自分の作業だけではなく、周りをみて枝を押さえる人、ワイヤーを締める人。
「困ったときはお互い様」の行動ができるのは、この地域の良さだと感じます。
最近では男性参加者が増え、男性同士で支え合う姿も見られました。
「妻に勧められて参加しました」と話す男性も、積極的にサポートをします。
サポートされた男性も「優しい人だね」と関心するほど。
東日本大震災後、男性が地域の交流の場に参加する機会が少ないことや、出にくいことが課題視されたこともありました。
ですが竹細工作りの活動は、男性も参加しやすく、老若男女の交流の場になっています。
また、震災前に同じ地区に住んでいた人が十数年ぶりに再会し、談笑する場面も。
このように、人と人とがつながる場を継続的に作ることが大切だと感じます
次回は「門松づくり」に挑戦!
さて、次回のワークショップは、お正月の縁起物である「門松づくり」です。
どんな作品が生まれるのか、期待が高まります!
さらに、年明け1月13日には「親子で竹灯りワークショップ」も企画されています。
参加希望の方は、ぜひお申し込みください。
暮らしに寄り添う竹ぼうき
ほうきが続々と完成すると、あちこちから嬉しそうな声が聞こえてきます。
「丈夫で使いやすいし、自分で作れたなんて最高!」
「帰ったら、落ち葉掃きに使ってみよう!」
「これで、年末のすす払いをしようかな?」
「雪が降ったら、雪かきにも使えるね」
と言いながら、自作のほうきを手にしたみなさん。
帰るのが待ちきれず、会場の掃き掃除を始めていました(笑)
秋から冬へと季節が変わる、この時期。
落ち葉かきや雪かき、年末のすす払いーー。
ちょっと面倒に感じることも、手作りの道具があれば、楽しみへと変わるもの。
手仕事のぬくもりが宿る竹ぼうきは、これからの暮らしを支えてくれる相棒となることでしょう。
取材・文 板林恵