今回は、朝日のあたる家で開催予定の「竹を活用した工作『竹灯り』ワークショップ」の事前準備を取材してきました!
伐採された竹をアップサイクル
朝日のあたる家では、地域の困りごとのサポートとして、放置された竹林の伐採とその処分を農福連携事業として行っています。これまでは、伐採した竹を粉砕機で細かいチップ状にして、有機肥料として再利用していました。
↓竹に関するこれまでの活動の様子はこちらでご覧いただけます↓
しかし、粉砕以外の活用法も探ってみようということで、竹細工のワークショップを開催することになりました(令和6年度 陸前高田市 心の復興事業の助成を受けています)。
第1弾は「竹灯り」作り。竹筒にドリルで穴を開け、好きな模様を描き、その筒にLEDライトを入れて間接照明を作るというものです。
今回の準備には、朝日のあたる家の利用者約10名が参加しました。そして、今回作業する竹筒は衣装ケース6箱分!
参加者には無理なくできる範囲で作業を進めて「すべてを今日中に仕上げるのではなく、できるところまででOK」というスタンスでお手伝いをお願いしているのだそうです。
作業は全部で4工程
工程1:切りっぱなしの竹筒の切断面をやすりで削ります
工程2:竹の表面に付いた汚れを落とします
竹筒は、水を張った水槽に入れた稲のもみがらを使ってこすり洗いします。水を含んだもみがらで洗うことで、表面を傷つけずに汚れを落とし、竹本来のつややかな光沢ときれいな緑色を引き出します。
工程3:もみがらを別の水槽で洗い落とします
工程4:直射日光を避け、風通しの良い場所で乾燥させます
最終的に、今回の下準備は半日で終了!衣装ケース6個分もあったのに…みなさんのやりきる力、本当にすごいです!
参加者の知恵を生かしながら
もみがらで汚れを落とす〝昔ながらの方法〟は、朝日のあたる家で竹細工の企画を進めていた際、偶然にも参加者の一人が教えてくれたものでした。その女性は「子どもの頃にね、門松を作る手伝いをしていて。その時に大人たちから竹の洗い方とかを教わったのよ」と懐かしそうに話してくれました。
また、やすりがけをしていた男性は、月に1〜2回朝日のあたる家を利用している方です。「自分にできる仕事があるならやりたいと思っているよ。自分のリハビリを兼ねてね」と笑顔で話してくれました。かつて大工をしていたというその男性は工具を持参し「ささくれでケガしないようにね」と一つひとつ丁寧に作業していました。
このように、参加者の知恵を生かしながら準備が進められているのですね。
ワークショップのご案内
ワークショップの企画・運営を担当する佐々木さんにお話を伺いました。
「今後も竹かご編みや、沖縄のカスタネット「三板(サンバ)」、竹ぼうき、熊手作りなど、さまざまなワークショップを開催予定です。利用者さんにいろいろ教わりながらやっていますよ」とワークショップの成功に向けて力を尽くしています。
イベントへの参加を希望される方は、朝日のあたる家にお問い合わせくださいね。
内陸から嫁いできたという女性は「たくさん竹林がある地域だなと思っていたけど、地域の特産品としての竹細工が売られていなくて不思議だった」と話していました。
「地域の困りごと×農福連携」から、新しい地元の竹細工・工芸品が生まれる日も近いかもしれません!
取材・文 板林恵