8月中旬、「ファーム小金山×作業所きらり」のピーマン連携に、待望の新しい展開が。
作業所きらりの施設内に重量選別機を設置して選別を行う、農福連携がスタートしました。
ファーム小金山にある作業場で、ヘタ切り作業・重量選別・最終選別をしていたきらりの利用者さん。
小金山さんのピーマン重量選別機が2台になったので、1台を作業所きらりの施設内に持ち込むことになりました。
「いいことしかない」施設内作業で広がる可能性
施設内の作業スペースに入ると、漂う緑の香り。
当日朝までに小金山さんが収穫したものを、きらりの職員さんが施設内に運び、利用者さんが作業をします。
黙々と行われていたヘタ切り作業。先日取材した時にもいた、初心者の利用者さんが作業していたので、お話を伺ってみました。
「だいぶ慣れました。」と照れくさそうに話す利用者さん。ハサミを持つ手は、すっかりベテランのように力強く動いていました。
重量選別機を操っている利用者さんには「自分のペースで、立っても座ってもいいですからね。」という職員さんの声掛けが。また、作業効率を考えテーブルを追加するなど、細かな配慮がなされていました。
職員の采配で臨機応変に動けるのは、施設内にいるからだと職員さんは話します。
作業所きらりの村上さんによると、まさにwin-winだというお話しが。
「施設内だと、利用者さんも普段通りに作業できますからね。トイレや水分補給、休憩もいつものペースでできる。職員の目も行き届きやすいので体調のケアもしやすいし、メンバーの交代もできる。体調面で小金山さんの畑に行けない人も、施設内での作業ならできる。生き生きした顔をして作業をしている利用者さんがみられるので、いいことしかないですね。」
1日240kg!驚きの作業効率が農家を支える
小金山さんも、施設内での作業になってから作業量が格段にアップしたと話します。
240kgのピーマンを、その日のうちに作業を終えられたことには驚いたそうです。
「うちの畑への往復の時間が作業に充てられるようになったとはいえ、1日で200kgの作業をこなせるって、すごい能力なんですよ。もちろん、作業量を強要はしたくないですけど、慣れてきたからこそ、みなさん早いんですよね。この作業量は、自分1人でやっていた時の4〜5倍。超強力なパートナーですよ。来年はもっとピーマンを植える量を増やそうと考えています。きらりさんがいなかったら、拡大は考えられなかったですね。」
取材当日は雨。久しぶりに溜まった事務作業ができたといいます。
「ヘタ切りから最終選別まで、きらりさんに安心してお任せできるので、気持ちにも余裕があります。秋冬に向けての準備をしたり、来年に向けての対策を練ったりもできています。」
最終選別に関しては、小金山さんよりも厳しい目で選別をしてくれているそうです。
「win-win-win」の関係
ファーム小金山と作業所きらりのピーマン農福連携は、10月まで続く見込みです。
今回の農福連携は、まさに「新しい風」を吹き込んだと言えるでしょう。
お互いが支え合い、一緒に前に進む姿は、農福連携の明るい未来への可能性を感じさせてくれました。
効率化と質の向上、そして利用者の方々の笑顔。
まさに「win-win-win」の関係になったファーム小金山と作業所きらり。
共に築き上げた絆は、まだまだ緑の実を結び続けてくれるでしょう。
取材・文 熊谷 蘭子
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