産福連携



実績


大船渡市下船渡公園 椿採取作業

椿茶の原料採取は、私たちにお任せあれ!!


新年度を迎えた4月1日。暖かい陽気に包まれていたこの日は、大船渡市下船渡公園周辺に咲く椿の採取が行われていました。

朝日のあたる家で行っている連携のサポートのひとつ、株式会社バンザイ・ファクトリーが製造している「椿茶」の一次加工。

現在、岩手・宮城の就労継続支援B型の事業所や就労支援センター、高齢者デイサービスセンターなど、10箇所以上の連携先があります。

朝日のあたる家で椿の採取をスタートして1年が経過しました。関わる人、地域や施設、作業規模においても、大きく広がり新しい繋がりも生まれています。

▼椿茶の一次加工の連携に関する記事はこちら▼

新たな展開

一次加工の作業に携わる人が増える一方、椿の原料の採取が追い付かないという課題もでてきました。事業所が、採取からの作業を行うのにはハードルが高く、負担も大きいとの声もあり、連携の一歩が踏み出せないことも。

そこで、朝日のあたる家が、椿の採取と葉を集め、受託を仲介する拠点としての役割を担うこととなりました。就労支援事業所や個人で内職をする人たちは、集められた椿の葉を持ち帰り、一次加工の作業をして、再び朝日のあたる家へ納品をする。といった一連の流れができています。

朝日のあたる家の敷地内にある、椿の葉の集積場

今まで、椿の採取は陸前高田市内を中心に行われていましたが、今回は大船渡市からの依頼を受け、下船渡公園の周辺で作業を行いました。

きっかけは、これまでの連携の実績や取り組みの広がりを知り、大船渡市から相談を受けたことから。作業に携わる人は大船渡市在住の方も多く、大船渡市にも拠点をつくれたらとの想いがあるそうです。

この日は、大船渡市からの協力体制が整い、市の管理地である椿自生地での採取が可能となってはじめての採取でした。コーディネーターの鈴木拓さんは、椿の採取作業をはじめて半年間、一人で作業を行っていたそうです。

「一人で作業をしていた時は、一日がかりでやっていましたね。半年後に、職員の臼井さんも椿の採取作業に入ってくれて、しばらくは二人体制で行っていました。そして実は、今日(4月1日)から朝日のあたる家に、職員が一人増えました!」

新体制でスタート

新たに、朝日のあたる家の職員・コーディネーターとして仲間入りしたのは、佐々木裕太さんです。

前職では、就労継続支援B型事業所に11年勤務していました。朝日のあたる家の農福連携に関わりのある事業所だったので、一緒に作業をする機会もあったそうです。

笑顔で作業をする、佐々木裕太さん

佐々木さんが入職するきっかけとなったのは……?

「鈴木さんの働き方や事業に対する想いに共感しました。自分自身も次のステップに進む良いタイミングだなと思って、新しい自分を探してみよう!という気持ちもあり、一歩踏み出してみました。前職でも、椿の採取作業は行ったことはあったので、作業内容などは分かってはいるのですが、これからいろんな現場に入って勉強していきたいと思います」

佐々木さんの役割は、連携現場でのコーディネート、現場の定着支援です。農家さんと事業所との打ち合わせや、農家さんの作業内容を事業所の職員へ指導をしたり、現場のサポートも行います。

朝日のあたる家職員の臼井さんは、「コーディネーターが間に入ることで、農家さんは仕事に打ち込めるんですよね。佐々木さんは、事業所で働いていた経験値があるので、利用者さんや職員の気持ちも分かる人なので、事業所の人はきっと相談しやすいと思います」

鈴木さんは「佐々木さんは、震災経験者の福祉人、本当に利用者さんおもいです。以前から福祉支援に強いおもいをもっている人だなという印象はありました。人となりは知っていたので、安心できる存在ですね」

初日の現場は、真剣に作業をしながらも、終始和気あいあいとした雰囲気でした。同じ志をもつ佐々木さんが仲間となったことで、鈴木さんも臼井さんも笑顔いっぱいです。佐々木さんと同い年の鈴木さんは、作業は大変ながらも動きは軽快!!

「いや~楽しいですね(笑)」の一言もいただきました。

SNS用の撮影も忘れずに。お二人ともとっても楽しそう

ひかりを照らす存在に

佐々木さんに、勤務初日の感想と今後の意気込みについて伺いました。

「体を動かすのが好きなので、現場作業は楽しいですね!まずは1年通して、一通りの仕事を覚えることですね。事業所の利用者さんが、安全に作業ができるように、そしてゴールに導いていくことが一つの役割だと思っているので、信頼してもらえるようなコーディネーターになりたいです」

この日はなんと、今までで一番の収穫量だったそうです!

佐々木さんの働きぶりが目に見える結果となりました。他にも、ハイエースが仲間入りし、2台体制となったこともあり、運ぶ回数は減り、積む量は増え作業効率も上がったそうです。

最後に鈴木さんは、「私たちが『陽の目が当たらないところに、朝日を当てていく!!』そんな想いをもちながら、これからも取り組んでいけたらと思っています。もっともっと全力で走れるかなと思いますね!」

椿の葉を待つ利用者さんや内職の方、そしてその先の椿茶を楽しみに待つお客様のもとへお届けできるよう、これからも走り続けます。

取材・文 吉田ルミ子

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